図情メディア研究科パンフレット2015
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研究紹介3:メディア教育の効果  学校や公共図書館において、メディアを読み解く力を高めるためのプログラム、ものづくりを体験するプログラムなどを考えて実践し、その効果について検討しています。 現在は、子どもを対象とした読書プログラムの検討、インターネット上のコミュニケーションを含む対人問題の解決やトラブル予防に役立つ教育プログラムの開発などを行っています。メディアの影響研究、メディア教育研究の展開 このように、メディア使用が子どもたちの発達に及ぼす影響には、よい影響や悪い影響が見られる場合も、影響が見られない場合もあります。今後は、メディアの影響研究を進めるとともに、メディアの影響研究の結果を参考にして、メディアの悪影響をできるかぎり低減し、よい影響を高めることができる新しいプログラムを考えて実践し、その効果を検討していきたいと考えています。 家庭や学校へのメディア普及が進み、私たちは多くの時間をさまざまなメディアとともに過ごしています。このようなメディア使用は私たちにどのような影響を与えているのでしょうか? 鈴木佳苗研究室では、この身近な問いの答えを探求しています。また、メディア教育の効果についても検討しています。研究紹介1:メディア使用の影響(1) 読み聞かせや読書が子どもたちの発達に及ぼす長期的な影響を検討しています。幼児を対象とした調査では、絵本の種類によって想像力や物語理解への影響が異なることなどが示されました。また、小・中学生を対象とした調査では、読む本の種類によって共感性や学習意欲への影響が異なることなどが示されました。研究紹介2:メディア使用の影響(2) テレビの視聴、テレビゲームやインターネットの使用が子どもたちの発達に及ぼす長期的な影響を検討しています。一般的にテレビ番組の暴力描写の視聴は子どもたちの発達に悪い影響を及ぼすと考えられていますが、小・中学生の女子では、テレビの暴力描写の内容によって攻撃性が低下する場合があることが示されました。教育研究分野鈴木佳苗研究室メディア使用・メディア教育の影響に関する研究暴力による長期的被害の描写攻撃性の一部の低下暴力による被害者の周囲の人の悲しみの描写攻撃性の一部の低下ゼミ室の様子小学生女子中学生女子図1 小・中学生におけるテレビ番組の暴力描写の視聴内容が攻撃性に及ぼす影響(図の中の「ー」は、攻撃性の一部の低下を現しています)教育研究分野32

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