図書館情報メディア研究科パンフレット2016(日本語)
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研究室紹介34研究室紹介呑海研究室図書館を中心とした知識情報基盤に関する研究筑波大学図書館情報学図書館にてゼミ生と図書館と利用者の関係性の変化モデル 呑海研究室では、図書館を中心とした知識情報基盤に関して、さまざまなテーマで研究を行います。知識情報基盤については、あらゆる学習・教育・研究に必要な知識および情報を蓄積・共有・活用することによって知識情報社会を支える社会的装置であるととらえています。 知識や情報を記録した媒体を収集し後世に伝えるという役割を持つ図書館の歴史は古く、たとえば最古の図書館として、紀元前7世紀のアッシリア王アッシュールバニパルの粘土板図書館が有名です。本研究室では、このように長い歴史をもつ図書館を歴史的時間軸および地理的空間軸からとらえ、知識情報基盤という観点から考察を行うことを目的としています。 近年は、図書館と利用者の関係性の変化に着目しています。「図書館と利用者の関係性の変化モデル」では、図書館と利用者の関係性の変化を四段階で表しています。第一段階は、利用者のニーズが未分化の状態であり、図書館は漠然とした「利用者」に対して主として資料を提供します。第二段階は、利用者のニーズが多様化する段階です。この段階での図書館は、特定の条件でセグメントされる利用者グループの特徴やニーズを把握し、それぞれに応じたサービスを提供します。第三段階は、利用者のニーズが曖昧化する段階であり、図書館は利用者にとってエージェントのような働きをします。第四段階は、図書館と利用者が相互に影響を与えながら協働することによって、新しいニーズや価値を創出する段階です。 具体的には、コミュニティ主導型の高齢者サービス、ラーニング・コモンズにおける学生アシスタントの可能性、利用者協働型の課題解決型図書館サービスをテーマとして研究を行っています。

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