図書館情報メディアパンフ2017
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15学生の声図書館情報学キャリアアッププログラム島田貴司図書館情報学キャリアアッププログラム吉間仁子キャリアアッププログラムを目指すきっかけ 大学図書館業務を学生、教職員、業者と接しながら行う中で、私は、業務経験を経るにしたがって、自分の行っている業務が「本当に最善なのか」という疑問を感じるようになりました。日々進化していく世の中の環境に適応しながら最適の環境やサービスを十分に検討し、利用者に提供できているのか。その疑問を解消するため、基礎からしっかりと図書館情報学を学びたいという気持ちが強くなり、受験しました。仕事と大学院の両立 博士前期課程で取得すべき単位は30単位以上。更に修士論文を書き上げなければなりません。これを2~3年間で終わらせる場合、一時的にかなりタイトなタイムマネージメントが必要です。当然、上司や同僚といった職場の理解や、家族の協力を得ることも重要になってきます。東京サテライトで平日行われる18:20からの授業に業務を切り上げて通い、土曜日も昼過ぎから授業を受け、単位を取得しました。社会人大学院生として得られる知見 筑波大学は国内有数の研究大学であり、名だたる研究者である教授陣はもとより、学部生・大学院生問わず、研究熱心な学生が多いです。また、キャリアアッププログラムとして同じ志を持って入学してきた方々もいます。これらの方々と交流することで多くの新しい知見を得られました。春日の学生に比べて圧倒的に少ないキャリアアップの学生のために東京キャンパスまで来られる先生とは、先生と学生・同じ社会人として 図書館員は人の学びを支える仕事であり、遂行するには自らも学ばなければならないと思いつつ、まとまった研究を行うでもなく社会人生活を過ごしてきました。転勤などを経て、ようやく念願かなって入学したときには、前身の図書館情報大学を卒業してから20年あまりもたってしまいました。 現職者が学ぶ意義はいろいろ挙げられますが、自分にとって特に大きいのは、研究の最新動向はもちろん、研究手法を学べるということです。おそらく今の40~50代の方ですと学部生の頃には体系的な研究手法やアカデミックライティングの指導を受けた経験がない方が多いのではないでしょうか。これらを通じ、業務に科学的根拠を持たせるための考え方を時間をかけて学ぶ機会は、なかなか仲間内の勉強会では得難いものです。 図書館情報メディア研究科のキャリアアップ・プログラムは、東京サテライトで修了に必要な単位を取得することができます。授業は月曜から金曜の夜間と土曜の午後に行われます。1年目は、春学期/秋学期とも週に4日間講義や演習を受講しました。なかには履修証明プログラム図書館経営管理コースの科目となっている科目もあり、研究科所属以外の方々と一緒に、講義で提示された現代の図書館経営に関する理論と現実の職場でそれぞれが対峙する問題とをテーマにディスカッションを行うこともしばしばです。少人数ながら館種も経験値も異なる受講者同士の交流も、新しい問いを立てるための良い刺激です。 学期中の発表の準備やレポートのスケジュール管理は、業務のそれとは違い、いまだ慣れているとはいえず、寝不足の日々ですが、しかし、秋学期も半ばとなると、入学当初よりは、得てきた知識や資料をもとに組み立てられるようになってきたかな、という手応えがあります。業務上も、講義で出たばかりの話題にふとした場面で結びつくことがあり、相互に良い影響を感じます。 当研究科は、他大学よりもより広い研究テーマを選ぶことができるのが最大の魅力です。職場と家族の理解を得ることができればぜひ、この密度の濃い日々を共有しませんか。様々な会話ができます。業務経験と大学院で得た知識・経験の相乗効果 言葉にしてしまうと平易ですが、大学院の授業・ゼミ・研究を通して非常に多くの知識と経験を得ることができました。その中には社会人経験があったからこそ理解が深まったことも少なくありません。また、大学院で得た知識や経験はそのまま業務に生かすことができ、これまで以上に理論や実績に裏打ちされた業務ができるようになりました。

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