図書館情報メディアパンフ2017
32/56

研究室紹介 (情報基礎設計)30研究室紹介 (情報基礎設計)鈴木伸崇研究室グラフデータ・XMLに対するアルゴリズム的アプローチ 当研究室では、グラフデータやXMLに関する研究を行っています。近年、このようなデータは複雑化・大規模化しており、これまでの手法では効率のよい管理や必要な情報の取得が難しくなっています。このようなデータに対する新しい管理手法や問合せ手法などについて、アルゴリズム的なアプローチで研究を進めています。グラフアルゴリズム 近年、ソーシャルグラフやLinked Open Dataなど、大規模なグラフデータが急速に増加しています。小規模なグラフデータを処理するのは比較的容易ですが、大規模なグラフデータは全体を主記憶に収めて処理することが難しいため、従来の手法では効率のよい処理が困難となっています。当研究室では、外部記憶アルゴリズム(external memory algorithm)の技術を応用して、大規模グラフデータにおいて効率よく経路問合せを行うためのアルゴリズムについて研究しています。また、大規模グラフデータの構造を要約してスキーマ(グラフの概形)を求める効率のよいアルゴリズムなどについて研究しています。XMLのスキーマ進化 一度作成されたデータが元の構造を保持し続けることは稀であり、ユーザの要求や利用環境の変化に応じて更新されていくのが一般的です。データの構造を更新する場合、通常、データ構造の定義(スキーマ)をまず更新しそれに応じてデータを変換します。しかし、スキーマと比べてデータの量は極めて多いため、データの変換には非常に手間がかかります。そこで当研究室では、スキーマの更新内容に応じてデータを自動的に変換するアルゴリズムを開発しています。また、スキーマの更新に応じてXPath式やXSLTを自動的に修正するアルゴリズムなどについて研究しています。その他 上記のほか、グラフデータにおけるパターン検索、MathML式の検索・分類、充足不能なCSS規則の検出、XPath式の充足可能性判定、EPUB電子書籍からの印象抽出、HTML5を用いたiPadアプリの開発など、グラフデータやXMLに関する研究を幅広く行っています。 当研究室のWebページは http://nslab.slis.tsukuba.ac.jp/ です。意欲のある方々のご参加を歓迎いたします。

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る