図書館情報メディアパンフ2017
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31研究室紹介 (情報基礎設計)す。また現在大学図書館では、印刷体・電子体資料を活用しながら長時間あるいは仲間と共に学習できる場としてラーニング・コモンズが注目を集めています。学習効果の高いラーニング・コモンズを構築するにはどのような方策が必要かなども、上記検索システムと関連づけながら研究しています。 ゼミの学生さんには自由にテーマ設定をしてもらっていますが、結果的には図書館をより良くする研究が多くなっています。これまで、指定管理者制度下の図書館と直営館の比較、公共・大学図書館における飲食可否の実態調査、公共図書館におけるレファレンスブックの所蔵調査、公共図書館が導入しているフィルタリングソフトの性能比較、国立国会図書館におけるポルノグラフィの納本状況、などがありました。辻慶太研究室図書館をより良くするための総合的・多角的研究 辻研究室では公共・大学図書館をより良くするための研究を行ってきました。具体的には、図書館の利用量を増加させるラーニング・コモンズの要素の特定、貸出履歴や閲覧中のWikipediaページを情報源とした機械学習による図書推薦システムの開発、日本のレファレンスサービスの実態調査(国立国会図書館からの受託研究)、公共図書館のレファレンスサービスとQ&Aサイトの正答率比較、司書資格取得者が持つ技能や知識の調査などです。 現在図書館では従来の印刷体の資料に加えて電子資料など様々な資料が増えています。それらの中から検索者に有益なものを提示するシステムの実現は古くて新しい課題です。現在、深層学習(Deep Learning)など機械学習技術が発達していますので、それを検索システムに活かせないか研究中でフィールドワークという方法 照山研究室では、特定のコミュニティや場所に長期間通って、そこの人々と活動をともにしながらインタビュー調査などをおこなう、「フィールドワーク」に基づく質的研究をおこなっています。その場所に集う人々はどのような規範や価値観を共有し、どのようにその活動や仕事をとらえ、どのようにコミュニケーションをとって、どのようなことに悩み葛藤しているのか。またそれが現代社会のさまざまな政治的・経済的状況とどのように関連づいているのかを、時間をかけたきめ細やかな調査を通じて明らかにしていくことを目指しています。これまで学生が取り組んできたテーマには、図書館を利用する視覚障害学生に関するもの、過疎化している商店街の復興を目指す人々の取り組みに関するもの、不登校の児童生徒のための適応指導教室で働く教職員に関するものなどがあります。照山研究室知識・価値観・コミュニケーションの多様性にせまる文化的他者と出会う 「異文化に触れる」という経験は、実は日常にありふれています。外国に行ったときだけでなく、国内でも新しい地域に引っ越したとき、新しい学校に転校・進学したとき、新しいアルバイトや仕事を始めたとき、私たちはしばしば異なる習慣や考え方を持つ他者と出会い、不思議に思ったり戸惑ったりすることがあります。このような「文化的他者」との出会いは、私たちの生きる社会の多様性について教えてくれるものであるとともに、私たち自身がこれまで「あたりまえ」と思っていたことを顧みるきっかけを与えてくれるものです。研究室紹介 (情報基礎設計)

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