図書館情報メディアパンフ2017
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43研究室紹介 (情報と人) 日常的なメディア利用は私たちにどのような影響を与えているのでしょうか?また、どのようなメディア教育の実践が効果的なのでしょうか? 鈴木研究室では、幼児から大学生を主な対象として、メディア利用の内容に注目した影響研究や、影響研究の結果を参考に、メディア教育プログラムの実践と効果の検討を進めています。メディアの影響  読書が共感性や学習意欲などに及ぼす影響や、テレビ番組の視聴が社会的な行動(攻撃行動など)に及ぼす影響などについて検討しています。メディアの影響は年齢や読む内容などの要因によって異なります。たとえば、一般的にテレビ番組の暴力描写の視聴は子どもたちの攻撃行動を増加させるなどの悪影響を及ぼすと考えられていますが、右図のように、暴力描写の内容によってよい影響が見られる場合もあります。メディア教育の効果  メディアが伝える情報の読み解きの授業の効果などを検討しています。これまでに、メディア教育の授業を受けたグループではメディア・リテラシーの一部が伸びるなどの結果が示されています。鈴木佳苗研究室メディア利用・メディア教育の影響に関する研究 松林研究室(Matsubayashi Social Informatics Laboratory)では、人間と情報との相互作用について、図書館情報学および社会情報学的観点から研究を行っています。 例えば、人間と情報との相互作用の典型的な例として、何かに関する情報を探す、という情報探索行動が挙げられますが、これはインターネット技術の影響を強く受けています。インターネット技術が普及する以前は、人々は何かについて調べたり情報を探したりするとき、図書館に行って図書や雑誌を見たり、知り合いに尋ねたりしていましたが、現在ではわざわざ図書館に出かけて行ったり、知り合いで誰かに詳しい人に尋ねたりせずに、Googleなどのサーチエンジンを用いて探すほうが一般的なのではないでしょうか。一方で、twitterやFacebookなどのソーシャルメディアを用いて、インターネット上で広く知り合いに尋ねて口コミ情報を収集するという情報収集方法もよく行われるようになっています。Yahoo!知恵袋のようなQ&Aサービスを用いて、(知り合いではないけれど)誰か詳しい人に教えてもらう、というやり方もあります。このように、現在では、人々が利用できる情報メディア、コミュニケーションツールが数多く存在し、人々はそれらのメディア、ツールを上手く使いこなしながら情報探索行動を行っていると言えますが、その様態を明らかにしようとするのが本研究室の目標です。 具体的には、図書館サービスの一つであるレファレンスサービスにおいて利用者が行う質問はどのような特徴を持っているか、人々が図書館員に期待する回答形式はどのようなものであるか、などを自然言語処理の考え方を用いて明らかにしようとする研究や、中国版twitterである微博(weibo)が人々のコミュニケーションに与える影響について、意識調査を通じて明らかにしようとする研究などを行っています。松林研究室複合メディア環境における人々の情報行動と情報メディアの社会的位置づけに関する研究小中学生を対象としたテレビ視聴と攻撃性についての研究結果研究室紹介 (情報と人)

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