図書館情報メディアパンフ2017
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研究室紹介 (情報と人) 情報機器を扱う人間の認知特性を調べています。これまでに本格的に心理学の勉強をしたことがなく、心理実験の経験もないけれど、人間のことに興味があるという工学系の学生が、心理実験のやり方を一から学んで、学会発表や論文執筆まで行っています。身の回りの情報機器のユーザビリティーに関する疑問から始まり、関連する認知機能を心理実験で調べ、その結果から私たちの脳の情報処理特性を推測するというととても奥深い研究分野です。スクロール表示特有の読み方を眼球運動から探る 携帯型端末や電子書籍の普及に伴い、スクロール表示の利用機会は急激に増えています。でも、スクロール表示の読み方や速度などの基本的特性、紙媒体との違いは、まだ良く調べられていません。本研究室ではスクロール表示の読みに特有の眼の動きを調べ、そこからスクロール表示の読み特性を明らかにしています。目的に応じてどのような表示の仕方が良いかを提案することを目指しています。サインやアイコンの見た目と意味の連合記憶を探る サインやアイコンは見た目が意味を持ち、取るべき行動を指示しています。良いサインは、見ただけでどう行動すれば良いかがわかります。サインの色や形や位置の中で、最も行動を呼び起こす特徴は何なのか、見た目と意味がどのように学習され一般化されていくのか、また色や形の組み合わせによって違う意味を持たせることができるかなどを調べています。GUIのわかり易さの向上や情報の重畳に役立つと考えられます。44研究室紹介 (情報と人)中山・真榮城・上保グループ知の表現・可視化・操作に関する基礎研究と応用森田研究室心理実験により認知の仕組みを探り、情報機器のデザインに生かすするための研究によって、新しい情報検索や知識表現の技術の確立へとつなげることができます。また、人の内面的な状態を計測するために、脳活動イメージングの研究も実施しています。このことによって、人の脳内の状態を定量的かつ客観的に測定でき、従来よりも正確に人がどう情報を扱うのかを知ることができます。さらには、自然体験学習や作曲などの創造過程の計測や表現方法の研究によって、創造過程とその成果の定量的な評価ができることから、より良い創造過程の成果を生み出す方法が実現できます。 中山・真榮城・上保グループからは、研究科長表彰者や学群長表彰者など優秀な学生が多く輩出されています。 我々の活動や研究に興味のある方は、知的コミュニティ基盤研究センターのホームページをご覧ください。博士前期後期を問わず、やる気のある学生の参加を募集しています。 http://www.kc.tsukuba.ac.jp/divisions/div-form.html 中山・真榮城・上保グループは、筑波大学知的コミュニティ基盤研究センターを構成する部門の1つである「知の表現基盤研究部門」に所属しています。知の表現部門において我々は、個人の知、コミュニティの知、自然の知のように様々な形で蓄積される知識について、目的に適した表現・可視化・操作をするための基本原理の究明と、方法論および応用の研究開発を行っています。 具体的には、知識をより扱いやすくするためのユーザインタフェースやユーザビリティについての研究、知識の構造と表現に関する研究、生体内の遺伝子の相互作用関係等の様々な生命現象を表現し分析する研究、文章や楽曲等の複雑なコンテンツの表現と構造に関する研究、等があります。例えば、個人の体験を常時記録し、その情報を有効に活用Horizontal posionLEFTRIGHT

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