図書館情報メディアパンフ2017
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49研究科の活動 ネットワーク情報化が進む現代社会においては、教育研究におけるグローバルな潮流を知り、グローバルなコミュニティに対して発信していくことが求められています。国際的な連携を進めるために、図書館情報メディア系では、伝統的な図書館情報学を基礎にしつつ、その枠にはとらわれることなく、新しい情報学の教育研究の新しい潮流を国際環境の中でつかむ努力を続けてきています。 図書館情報メディア系では、ピッツバーグ大学のSchool of Information Sciences、コペンハーゲン大学Royal School of Library and Information Science、ベトナム国立図書館他の大学や国立図書館等と交流協定を結び交流を進めています。また、本系の国際交流活動の一環としてTsukuba Global Science Week(TGSW)でのシンポジウム開催や、海外の研究者や専門家を招聘して行う国際セミナーの開催等を積極的に進めています。 近年のインターネットの爆発的な発展にともなう情報環境の大きな変革に伴い、北米の有力な図書館情報学の大学院では、伝統的な図書館情報学の枠組みからネットワーク情報化社会を志向した Information Schoolへのシフトが進められてきました。Information Schoolは、従来の学術領域の枠を越えて、確固とした情報技術基盤の上に、知識や情報を核として人とそのコミュニティを結ぶことを目的とした幅広く学際的な研究教育を行う大学院や学部です。現代社会では、人とコミュニティ、多様な情報学の教育研究の新しい潮流を探る国際連携知識情報資源と情報技術に関する知識を総合的、有機的に結びつけることが求められます。伝統的な図書館情報学には、図書館で培われてきた人とコミュニティ、知識情報資源に関わる豊富な知識や技術が含まれます。Information Schoolは、これらに加えて、ネットワーク社会を指向した新しい情報技術を取込み、従来の領域の間にある壁を取り払い、新しい領域を開拓する取組みです。 図書館情報メディア系では、こうした新しい情報学教育研究の潮流をいち早く取り入れてきました。2012 年には Information School の世界的組織である iSchoolsに参加しました。iSchoolsは北米の研究指向の強い大学院を中心に始まり、現在ではヨーロッパ、アジア太平洋地域他の大学院も含む約80のメンバーからなる世界規模組織です。また、2008 年12月にスタートした、草の根的な大学間連携プラットフォームであるConsortium of Informa-tion Schools in Asia-Pacicでは、設立時からの図書館情報メディア系は中心メンバーとしてアジア太平洋地域における Information School の交流、協力の推進を図ってきています。2016年12月にはiSchoolのアジア太平洋部会の会議をホストし、研究指向性が強いiSchoolsメンバーだけでなく多様性に富むアジア太平洋地域におけるInformation Schoolをつなぐハブの役割を果たすべく、国際的連携のための努力を続けています。

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