ワークショップの背景と目的
大学における学びを支援する新たな図書館としてラーニングコモンズが注目されています。ラーニングコモンズは、学びに関係する学生・教職員など多くの人や組織が横断的に連携しながら、作られていくことが望まれますが、これは容易なことではありません。
そこで、本ワークショップでは「パターンランゲージ」の考え方を用いて、この問題に取り組みます。ラーニングコモンズを考えるためにあらかじめ用意されたパターンランゲージと、実際の学習空間を比較しながら議論を行い、学生・教職員ひとりひとりにこれからのラーニングコモンズのあり方を考えてもらうことを目的とします。
ラーニングコモンズと、学生の学習・教育に関心のある方の積極的なご参加をお待ちしております。
パターンランゲージとは
パターンとは、知識記述の方法のひとつです。具体的には、なにか問題になりがちな状況と、それをうまく解消してくれるようなコツをまとめて記述します。パターンはコツの単位であり、問題と解法についての一連の流れを指しています。さらに、パターン間の関連を示して、関係性でひとつのセットにしたものがパターンランゲージです。例えば、子供に絵本の読み聞かせをするときのコツをまとめたパターンランゲージ
http://www.hyuki.com/writing/ehonpat.html
や、よりよい学びを実現するためのコツをまとめたパターンランゲージ
http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/ などがあります。
現在ラーニングコモンズをつくるためのコツをまとめたパターンランゲージを試作しています。右図は、そのひとつ「ラーニングコモンズ(学びを支援する図書館)のデザイン」のパターンです。
本ワークショップで、このパターンランゲージの考え方を取り入れるのは次のような理由があります。ラーニングコモンズには、学びに関係する多くの利害関係者が存在するため、各々の立場や組織に応じた問題が発生しています。しかし、これらの問題は個人や各組織の中にとどまっており共有されていません。そのため、ラーニングコモンズの何について議論すべきなのかが分かりづらいという状況があります。そこで、言語化が難しいコツを共有するパターンランゲージの考え方を用いることで、はじめてラーニングコモンズに関する議論がに取り組むことができるのではないかと考えました。
参考
プログラム
プログラムは当日の進行等によって変化する可能性があります。あらかじめご了承ください。
13:00 | はじめに |
13:20 | チーム分け |
13:30 | (ワーク1)図書館情報学図書館とラーニングコモンズの観察 |
13:45 | パターンランゲージについての解説 |
14:00 | (ワーク2)はじめてのパターン作成 |
15:00 | 作成したパターンについてディスカッション・修正 |
15:30 | 休憩 |
15:40 | (ワーク3)ラーニングコモンズのパターンについてディスカッション |
16:00 | (ワーク4)図書館情報学図書館とラーニングコモンズの観察 |
16:20 | (ワーク5)ラーニングコモンズのパターンを修正・発表・講評 |
18:00 | 終了 |
18:30 | 懇談会 |
Ustream
当日のワークショップの様子をUstreamで配信します。
日程の都合上直接参加することが出来ない方も、是非ご利用いただければと思います.
よろしくお願いします。
配信は好評の内に終了しました。
ありがとうございました。
結果報告
本ワークショップの結果報告のまとめをアップロードしました。
(2011/06/16)
作成したパターンなども全て公開しておりますので,
是非ご参照ください。