佐藤研究室 卒業研究指導方針
1. 概要
氏 名
佐藤 哲司
所 属
情報メディアシステム分野/知識情報システム主専攻
研究室
7D205教員研究室/7D140(1Z)学生研究室
2. 指導可能な研究領域
コンテンツ工学(Content Engineering) −情報アクセスの単位となるコンテンツ、および、それらの間の関係を研究対象とし,ネットワーク情報時代にふさわしい情報流通に取り組む『実践重視』の研究室です。 主な研究領域を以下に示します。これまでの実績などは
→(研究室Wiki)
メディアとコミュニケーションの研究
20 世紀終盤で登場したウェブやブログの特徴は、バラバラと勝手気ままに生成・消滅を繰り返し全体が管理されていないことです。混沌とした情報空間はメディア としては未成熟であり、ユーザの負担増と、ディジタルデバイドの要因の一つとなっています.雑誌やテレビ,電話などと同様に,判りやすく誰でもが使えるコ ミュニケーションツールとするために足りない要素は何か,仮説を立てて検証していく。
情報空間の構造化研究
著作活動の大衆化に伴って個々のコンテンツの粒度は小さくなり、相互の関連(引用など)が重要な意味を持ってきています。ウェブから収集した具体的なコンテンツ集合を対象に、構造化と可視化の方法を求めていく。
情報アクセスの高度化研究
誰 かの書き込みにインスパイアされ、それを自らの著作の一部とする行為は従来の引用の枠を越えています。また,熱烈な読者の存在がリアルタイムに書き手に フィードバックされる状況は、作品に何らかの影響を与えているともいえます。単にデータを右から左に移すというだけでない情報アクセスの多様化・高度化の 手法を提案していく。
情報環境の賑わい感研究
リアル世界の図書館とポータルサイトとは、情報流通のハブとして類 似の役割を担っています。例えば、図書館における貸し出し冊数はポータルサイトのページビュー数(PV)に相当します。両者が融合することで地域に密着し た公共図書館は新たな魅力を備えることでしょう。賑わい感・つながり感などネット社会の知見を持ち込み、環境が情報武装することで知的生産活動の活性度を 高めることに取り組む。
知識写像の基礎研究
文章には格調高い/くだけている、専門的である/ないなど、固有の論調 やリズムがあり、利用者や利用形態に応じて論調を変えることが利用者(読者)の理解を大きく助けることになるでしょう。このような論調あるいは文章の印象 がどこから湧いてくるのかを解明し、コンテンツの表現形態を変換する知識写像の方法論に取り組む。
上記のテーマに関わらず、データ工学や情報検索、テキストマイニングなどの工学的方法を用いて、社会で起きている様々なコトを解明し、新たな枠組み・方法を提案することに興味のある学生を歓迎します。
3. 研究指導の概要
研究室は「
発想エンジン
」
小さなアイデアを実際に試してみながら大きなアイデアへ広げていく、
─ 研究室での議論と試行錯誤のスパイラルが『本物』を生み出す原動力です。
研究室は「
成長エンジン
」
問題を発見・解決する力、人を説得する力は、経験を積むことで身につくもの、
─ 研究室はあなたの研究活動をサポートするだけでなく『あなた自身』を成長させます。
研究室は「
万全サポート
」
研究に必要なコンピュータ、専門書は
しっかり
確保!国内外での研究発表の費用は
100%
支給!
─ 自分専用に使用できるWindows-PC、プレゼン用Note-PC、大規模計算用Linux-Serverも充実。
─ 経済面など研究に専念するための相談に乗ります。
4. 研究をすすめる上で望ましい条件
情報関係の基礎・応用科目やプログラミング関係の科目を履修していると研究をスムーズに始められますが、未履修でも必要に応じて配属後に修得すれば大丈夫です。
下記の研究活動に支障がない程度に単位修得をすませている人、アルバイトも大いに推奨しますが研究室に毎日顔を出せる人を歓迎します。
定例ミーティング(週1回): 各自の研究報告,研究談話,重要な論文の輪講 (と 遊び の相談)
個別コーチング(不定期):基礎体力向上のためのメンタル・スキル両面からの指導
年間スケジュール:
12月〜3月(頭の体操)期:研究って何をすることなのかを理解する。専門書の輪読や幅広く文献を調べながら「本当にしたいこと」を明らかにしていく。
4月〜6月期:前期で得らた研究の方向感にしたがって、関連研究の更なる調査、目的・目標に到達するための研究シナリオを作る。
6月頃:卒業研究着手発表会、8月:他大学・他研究室と合同合宿(2009年度は山中湖)
外部のメンバーとの研究ディスカッションで「非日常」を感じる、アイデアを深耕する。
7月〜10月期:ひねり出したアイデアを実装して評価・検証する。
11月〜3月期:収穫の季節。成果を論文にまとめる。全国大会や研究会、国際会議に参加して、研究成果を披露する。
ゼミ風景
於:205研究室
(2008/5 撮影)
他大学との合同合宿
2008/8/21 - 8/22
於:富士緑の休暇村
2009/8/27 - 8/28
於:山中湖
5. 受け入れの必須条件
自分の道は自分で切り拓く,そんな学生になることを応援します.失敗するのも研究です.失敗の中から小さな成功を見つけ出し、小さくても成功を積み重ねていくことで自信をつけていきましょう。
興味のある学生は、必ず事前にメールでアポイントメントを取ってから研究室を訪れて面談してください。面談では簡単な意向調査とアンケートをお願いすることがあります。
メール
は宛先を satoh [AT] slis.tsukuba.ac.jp ,件名を「卒研面接希望:自分の名前」)としてください。
6. その他
9/14(月)の知識情報システム主専攻実習の後に研究概要を説明しますので、ご興味がありましたらお集まり下さい。
よく遊びよく学ぶ。研究もして頂かないと困りますが、明確な判断基準を持つなどの自己を確立すること、就職・進学を含め将来への明るい展望を得ること、一 生の友人を得ることなど、「今」すべきことはたくさんあります。研究室選びは自分への先行投資と考え、コストをかけて自分に合った研究室を選び成長の庵を 見つけましょう。