平成23年度 卒業研究指導方針

氏 名 鈴木 伸崇
所 属 知識 知識情報システム主専攻   図情 情報メディアシステム分野 
研究室 7D204
指導可能な研究領域
HTMLやXMLなどのデータに関して,データ変換アルゴリズム,スキーマの表現力,データや問合せ式の検証,それらに跨がる問題などに関する研究を扱います.関連する具体的なキーワードとしては,XSLT, XPath, XQuery, DTD, XMLSchema, RELAX NGなどがあります.これらを処理するプログラミングは行いますが,大規模なシステムを作成する可能性は小さいと思います(その代わり,多少のアルゴリズム的思考が必要になることがあります).  

上記に関連して,データベース,アルゴリズム,木文法,などに関するテーマも扱います.
研究指導の概要
下記にテーマの例を挙げます.ただし,実際のテーマは,週1,2回程度のゼミを通じて,関連文献を読みつつ,本人の興味の方向性を探りながら決めていきますので,以下のものに限定される訳ではありません.

HTML/XML変換:複数のXMLデータをHTMLなどに一括して変換する場合,通常,XSLTやXQuery等の式を記述して所望の変換を行います.しかし,XSLTやXQuery式の記述は一般のユーザにとって必ずしも容易ではありません.そこで,ユーザが変換に関するヒントなどを与えると,そこからXSLTやXQueryの式を推測・自動生成してくれるようなアルゴリズムを考案し,プログラムを作成して評価を行います.

問合せ式の充足可能性判定:あるDTDの下で,XPath式などの問合せ式を記述したとします.もしこの式がDTDの規則に反したものであるならば,その式はどのXMLデータに対しても実行結果が空であり,実行するのは無意味です.このような,無意味な問合せ式を検出したり式の誤りを修正するアルゴリズムを設計し,プログラムを作成して評価を行います.

スキーマ進化:時間の経過とともに格納すべきデータの構造や種類は変化するので,それに応じてスキーマ(DTDやXML Schemaなど)も更新されていきます(スキーマ進化).スキーマ進化において必要となるスキーマの更新操作やバージョン管理手法,スキーマが更新された際に必要となるXML変換アルゴリズムなどについて考案し,プログラムを作成して評価します.

XPath式の自動生成:XPathなどの問合せは,通常,ユーザが式を直接入力して実行しますが,問い合わせ対象のデータ構造を完全に把握していない/できない場合などは,正しい式を記述することは容易ではありません.そこで,GUI上にデータの概観を示し,必要な要素や条件を指定してXPath式を自動生成するプログラムを考案して評価します.

上記以外の「持ち込み」のテーマでも構いません.研究としての新規性・有効性の観点から,本人と相談の上,必要に応じてテーマを調整しつつ研究を進めます.
研究をすすめる上で望ましい条件
多少のプログラミングができることが望ましいです(言語は問いません).現状アルゴリズムに関する知識を有している必要はありませんが,研究においては,若干のアルゴリズム的思考が必要となる場合があることをご承知おきください
(テーマによります).
受け入れの必須条件 
「面談を受けていること」です.面談では研究などに関して簡単に説明し,ご希望の研究領域などを伺います(もしあれば).

面談ご希望の日・時間帯を nsuzuki@slis.tsukuba.ac.jp までご連絡ください.
面談は10月25日〜11月10日(11月11,12日は出張の予定)の間に行います.
選考方法
希望人数が定員以内の場合は全員受入れますが,万が一定員を超えた場合,面談内容等に基づいて,主に研究領域に対する関心の強さに基づいて選考します.
成績や習得単位数は考慮しません.
その他