平成24年度 卒業研究指導方針

氏 名 真栄城 哲也
所 属 知識  知識科学主専攻  図情  情報メディア開発分野
研究室 7D409
指導可能な研究領域
 下記のようなテーマを挙げています. 関連するキーワードは,知識,知識の構造,ネットワーク,ヒト・モノ・コトのつながり,関係性,生命科学,発生,などです.

 基本的にはこれらに関連する内容と,本人が面白いと思う・興味を持っている対象を主軸に,本人と相談して決めます.


大まかな研究テーマ:

(1) 生物の発生の仕組みを解明する
 生命活動は,数万個以上の種類の要素が,設計図であるゲノムに書かれた内容に従って,複雑に関係し合って成立しています.その仕組みは不明な点が多くあります.現在,生物の成長の初期段階に的を絞り,機能要素である遺伝子のうち,どの遺伝子が,どのように機能しているかを研究しています.解析対象は線虫 C.elegans という長さ1.5mmで寿命が3日,細胞数959個の生き物です.この C.elegans が誕生してすぐの段階 (極初期胚) でどの遺伝子がどれくらい使われているかを計測し,その実験データを使って遺伝子間の関係を予測しています.遺伝子間の関係は,殆ど判っていません.

(2) 知識の構造・表現と脳
 様々な分野の知識は,それぞれの分野特有の表現方法や構造を持っています.また,用途に応じて適した方法が異なります.人間が直接把握できない複雑な仕組みや現象をどのように見える形にするか,という問題もあります.さらには,脳内でどのように表現されているのかも未解明の状態です.これらの問題について研究しています.進行中のテーマはいくつかありますが,具体例として,1つは音楽の作曲に使われる知識の表現,もう1つは情報を検索する時の脳内活動データの計測,が挙げられます.

(3) ヒト・モノ・コトのつながり (関係性のネットワーク)
 我々の住む世界には,様々な人間関係,企業間取り引き,インターネット,概念の意味関係,ブログやホームページのリンク,生体内の反応など,要素間の関係によって表すことができる色々なネットワークが存在します.さらにこれらのネットワークは時間とともに変化します.このように現実には要素数が膨大で複雑な関係を持ち,階層構造があり,かつ動的に変化するネットワークが多く存在します.このようなネットワークで生じる様々な現象の解析や,判りやすく表示・操作する研究,シミュレーションや理論によって解析する研究を行います.上記の (1) 生物の発生の研究と,(2) 知識の研究のどちらも関係性の観点から捉えています.

(4) その他,面白そうなテーマ.
 ここに挙げた内容以外に興味を持っている関連対象があれば遠慮なく相談して下さい.

(5) これまでの卒業研究のテーマの一部:
・歌謡曲の歌詞の特徴と変化
・ロックミュージックのアーティストの影響度
・笑いのパターン
・クチコミのランキングと利用者の要求に応じた表示
・物語のプロットの構造
・線虫の遺伝子ネットワーク
・生物学の概念体系.時系列変化
・嗜好パターンの類似性および推測
・多人数の会話における主導権の移り変わり
・ブログのトラックバックで作られるネットワーク
・インターネットにおける噂の広まり方,物事のイメージの形成
・文章の判りやすさと読み方の関係
研究指導の概要
 まず大雑把にでも研究テーマを決める必要があります.その後,全体によるゼミや個別の議論によって,研究内容をより具体的にする,問題を明確化する,問題をどのように取り扱うか,といったことを進めていきます.
研究をすすめる上で望ましい条件
 何でもやってみようと思う人,何かに興味を持っている人.
受け入れの必須条件 
 なし
選考方法
 面談内容に基づき決めます.
その他
 訪問希望日時をメールで連絡して下さい.
 訪問期間:10月24日〜11月2日
 メールアドレス:maeshiro <あっとマーク> slis.tsukuba.ac.jp