OpenGLによる３次元図形ライブラリの作成

榎本　仁美

最近グラフィックスライブラリとして注目されているのがOpenGLである。 OpenGLはシリコングラフィックス社のIRIS GLの機能を一般的な機能で置き換えたもので、２次元と３次元のオブジェクトに対してすばやく画像を生成することができる。OpenGLを使ってグラフィックスプログラムを作るときは、必要なモデルを点、線分、多角形等の組み合わせで作成しなくてはならない。プログラミング作業を単純化するためにユーティリティライブラリや、プログラミングガイド用の補助ライブラリが用意されてはいるが、扱っている３次元図形の数は少なく、基本的なものに限られてしまう。そのため自動車や分子モデルなどの複雑な形状については、膨大なプログラミングと、オブジェクトを表現するために様々な数式や計算が必要となり、プログラマーにとって大きな負担になると考えられる。
そこで本研究では、球、錘、柱等の基本立体図形以外でユーザーがよく使うもののうち、OpenGL には用意されていない図形についての関数群や、図形のみならずユーザー・インタフェース等の部品を提供することを目的とした。複雑な図形を作成しようとするユーザーは、ライブラリ内の関数を呼び出すだけで簡単に目指すオブジェクトを作成することができる。取り上げた図形は角が丸みを帯びた四角柱と楕円面や双曲放物面など９種類の２次曲面である。これらを組み合わせて使用することにより、さらに現実味あふれる画像が作成できるのではないかと考えている。また、ユーザーが事前に実際の描画がどのようになされているかを見るためのビューアも作成した。
図形についてはほぼ十分だと思われる。しかし、ボタンについては一つの関数を選択しただけでは機能しないため、複数の関数を組み合わせる必要があるが、この点は改良の余地があるかもしれない。今後の課題としてはライブラリをもっと増やすこと等があげられる。

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