Javaによる現在地決定システムの試作

寺本則子

 現在、インターネットは世界中の人々に利用されている。インタ ーネットから情報を得るには、WWW(World Wide Web)ブラウザが 使用される場合が多い。しかし、WWWブラウザは原則的には蓄積 されている情報を受け取って表示するという単純なことしかできな い。そこでJavaという言語が開発された。Javaで書かれた プログラムをWWWのページに組み込むことで対話性といったもの を実現できるようになった。
 本研究では、ユーザーが現在地の周辺状況を入力することで、現 在いる場所がわかるというシステムをJavaを用いて作成してみ ることとした。最近では、カーナビゲーションシステム等が普及し ているが、このシステムでは、現在地の決定を通信衛星を使って行 っている。しかし、実際には人間は周辺の情報を目から得ることで 現在地を判断している場合が多い。例えば、電話等で道順をたずね たりする場合には周囲の状況を相手に伝えることでどこにいるかを 特定することも可能である。そこで、本研究ではこの考え方を基に 現在地を特定するためのシステムを構築することとした。
 本システムは、検索画面をJavaを用いて作成し、場所データ 表示画面はHTML(HyperText Markup Language)を用いて作成し た。このためインターネット上のWWWで利用可能なシステムとし ている。ユーザーは、現在いる地点の状況(周辺状況)を検索画面 から入力することで、入力された条件に合致した場所データを得る ことができる。ユーザーとしては、道に迷い現在いる場所がどこで あるかを調べたいという歩行者を対象としている。普通、道に迷っ てしまったらその辺りを歩いている人に声をかけてどこなのかを聞 くなどするが、真夜中の誰も歩いていない時間に道に迷ってしまっ たらそのようなことはできない。現実的に考えたとき、迷っている 本人がシステムを使用するには移動可能なインターネットを利用で きるコンピュータが必要となる。最近ではそのようなコンピュータ や携帯情報端末が普及しつつあるが、広く一般の人が利用するのま でには至ってない。しかし、本人が直接利用できなくとも本システ ムを利用できる人に電話でコンタクトがとれれば、その人がたとえ その地理に詳しくなくても、現在地を特定する事が可能なのではな いかと思われる。現段階では検索できる地域として、身近であるつ くば市学園地区の中心部に限定しているが、場所データを増やして いくことで検索地域を広げることが可能であると思われる。
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