HTML作成支援システムの試作
小島 美紀
近年、インターネットの普及により、ホームページの作成者は増加傾向にある。
それにともないHTML文書の作成支援ソフトも数多く出回るようになった。HTML文書
はバージョン1.0にはじまり、現時点では3.0までバージョンアップしており、将来
的には4.0の出現も先日W3C(world Wide WebConsortioum)によって勧告された。
HTML作成支援ソフトには、フォーム文書やテーブルに関するタグも扱えるものま
で出ているが、そのどれも、1つのファイル内での処理が可能なタグのみを扱って
いるのが現状であり、2つ以上のファイルにまたがる複雑なタグを扱っているもの
は現時点で存在しない。その理由として、多くのHTML文書作成ソフトでは「基本画
面の1つのテキスト入力欄内のみでタグ付けを作成する」という類似した構成によ
って、複数ファイルにまたがるタグの使用が困難であったためと思われる。
本研究では既存のシステムの機能の改良に加え、フレーム分割機能、ダイナミッ
クドキュメント機能などの複雑なタグ使用に対応する機能と、またタグが増えるご
とにバージョンアップしなければいけない現在の非効率的なシステムを考慮して、
タグを利用者が追加していくことのできる普遍性のあるシステムの作成を目的とした。
本システムでは、タグ自身を知らない者でも容易にマウスの操作のみでタグ付け
が出来るようにした。そのためにテキストウィンドウとタグを示すボタンを配置し、
任意のテキストを選択しタグボタンを押すだけで自動的にタグ付け操作がおこなわれ
る。さらにバージョンアップによって出現する新たなタグを、利用者がサブウィンド
ウから登録することで新規タグのリストを作成し、またそのリストから選択すること
で本来のタグ付け操作がおこなわれることも可能にした。
本システムでは、現行のHTMLの機能の全てを必ずしも含んでいないが、利用者自身
が新たなタグを登録できる機能を付けたことで、これらのことは補われるものと思わ
れる。また、この新たなタグを登録出来る機能はHTMLに限らず他のLaTeXやSGMLなどの
タグ付け言語にも応用できるのではないかと思われる。