XMLを用いた絵本の電子図書館

渡部 計輝


 近年のコンピュータの低価格化と、ネットワークの発達に伴って、急速な勢 いでインターネットが普及してきている。このようにインターネットが世界に 普及してくなか、WWW上でも様々なデータの管理を行いたいという要求が強 くなり、また、既存のHTMLの限界も指摘されるようになってきた。そこで、 人間にも読めてアプリケーションでも理解できる交換フォーマットとして、文 書構造に特記した文書/データ構造化言語として、新たにXMLが注目される ようになってきた。
 XMLはHTMLと違い独自にタグを拡張できるので、データに意味を持た せることができ、かつ、人にもわかりやすい表現ができる。しかも、オープン なテキストベースのデータ形式で、スタイルは別に指定できるので、特定のベ ンターやソフトウェアに依存せずに、HTML等に使用している既存のインタ ーネット技術が使用できる。
 そのことから、業界で唯一の標準データ交換フォーマット、人間指向のデー タフォーマット、機種非依存のオブジェクト転送フォーマットとして期待され ている。
 そこで、本研究ではXMLを利用したシステムとして、電子図書館、特にそ の中でも絵本に着目して親と子が気軽に読みたい本を探せるようなシステムを 構築することを目指す。
従来の目録検索システムであるOPACではテキストベースの物が多く、絵本 のように絵と文字が対等に扱われているものを探すのには向いていない。また、 子は絵本を選ぶときに作家の名前などではなく、絵の雰囲気や好きな動物など がのっているものを選ぶ基準にしていると思われるので、その点を考慮に入れ てシステムを構築することにした。
 本研究では図書データをXMLで作成し、HTML、XSLT、JavaS criptなどを使いWWW上で表現するシステムを構築した。
 検索画面で主役、表示する項目、対象年齢を選ぶとJavaScriptが XMLを解析して入力条件に合ったデータを表示する。そこで、読みたい絵本 を選ぶと詳細画面に移る。その画面からメーラーを使って予約をすることもで きる。
 また、データ入力用のアプリケーションはJavaを用いて開発した。その アプリケーションでタイトルや著者などのデータを入力することによりXML データを追加することができる。
絵本用の電子図書館としては主役による検索などはある程度の評価はできると 思われる。
しかし、条件が主役だけでは、余り絞り込めないのでもう少し絞り込める条件 を増やさなければならないと思われる。そこで、今後の発展としては、子供が 絵本を選ぶ基準についてもう少し考え、絞り込み条件を増やしていく必要があ る。