BFECC

BFECCはSemi-Lagrangian法においてバックトレースする際に，フォワードトレースにより誤差を求め， その誤差を修正することで高精度に移流を行う方法である． BFECCの最初のアイデアは *1 で提案され， 2005年にCG分野で移流方程式へ適用された *2, *3．

Semi-Lagrangian法のバックトレースによるの更新を以下の式で表す．

Lは直線を使った1次精度のバックトレース，uは速度場を表す．
BFECCの場合，上式は以下のようになる．

ここで，

• BFECCの考え方
  

BFECCの式を上の図を使って説明する．
まず，A点を計算点xとする． もし，特徴曲線に完璧に沿ってバックトレースしたならば，バックトレース点はBになるはずである． だが，実際には直線でトレースしているのでC点になっている()． このとき，B点とC点の間のの値の違い(誤差)をeとする．
C点からさらにフォワードトレースした位置Dは，A点からの誤差2eを含んでいる(誤差なしならA点に戻る)． D点での関数値をとすると，

となる．上式から，誤差eは以下のように求められる．

より正確なは，からeを引いた場より得られる．

• BFECCの実装
  1. をバックトレース
     
  2. をフォワードトレース
     
  3. 誤差eを引いたを計算
     
  4. をバックトレースして，を算出