図情メディア研究科パンフレット2015
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19学生の声博士前期課程修了 キャリアアッププログラム高池宣彦博士前期課程 キャリアアッププログラム皆川登紀子巨人の肩を目指して 「巨人の肩の上に立つ」という言葉があります。先人の業績という知識の集積による巨人の肩に乗ったからこそ、遠くまで見渡すことができる、という意味ですが、私の博士前期課程での日々は、まさに巨人の肩を目指す岩壁登りのようでした。図書館情報メディア研究科の巨人たち 私の指導教員である逸村裕先生は、学術情報流通論等をご専門とされていますが、知識の守備範囲は大変広く、何事につけ教わることばかりです。また、筑波の他の先生方や研究室の先輩方との交流は、「我れ以外みな我が師也」の如く、学びの貴重な機会でありました。 また、図書館情報メディア研究科は、文部省図書館員教習所、図書館短期大学、図書館情報大学を由来とする伝統のある研究科です。現研究科の出身者はもちろんのこと、前身の図書館短大、図情大時代等の先輩が、図書館界や教育界等で大勢活躍されています。そのつながりや歴史は、本研究科に入学してから強く実感しました。いま、見えてきたもの 本研究科に入学前、つまり巨人の肩をはたから眺めるだけであった頃を振り返ると、私は「学術研究」とは何かについて、まるでわかっていなかったように思います。入学を果たし、必死に巨人の肩を目指して自分の手の皮を剥きながら登っていくという行為のなかで、「学術研究」というものが少しずつ見えてきたような気がします。 私は企業内図書室で司書をしながらキャリアアップ・プログラムに在籍しています。社会人大学院生の学生生活をご紹介します。授業 授業は東京サテライトで月~金曜の夜間と土曜の午後に行われます。私は幸い勤務地とキャンパスが近く通学に便利でしたが、遠方から時間をかけて通学している学生もいます。 先生方も筑波から遅い時間にいらして熱心に講義をしてくださいました。社会人学生の状況を理解し、可能な限り学生の都合を聞いていただきました。 1年目にできるだけ多くの科目を選択しましたが、授業での発表準備や課題にかかる時間を計算に入れておらず、特に試験期間に各科目のレポートが重なると非常にタイトな生活になりました。研究 社会人学生なら自分の業務に発した問題意識に沿った研究テーマを選ぶものでしょうが、私は個人的に関心のあった公立図書館を対象にしたため、社会人が研究するメリットを活かせず苦労する部分もありました。研究方法を選ぶのにも、仕事との兼ね合いを考慮する必要があるかもしれません。私は「学生」という肩書きを使っていろいろな立場の対象者から話を聞けるインタビュー調査を選びましたが、平日に時間休を使うことが重なりました。職場の上司と同僚の理解があってできたことで、とても感謝しています。研究科を薦める一言 ライブラリの現場で長く過ごすうちに、目の前の課題を解決することにかまけて思考が小さくまとまりがちでしたが、研究し論文を書くため論理的に思考を組み立てていく方法を学び、視野が拡がりました。 当研究科は、図書館情報学の広い領域に渡って多くの先生方がおり、多様な研究テーマにも応えてもらえる環境があります。ワンパーソン・ライブラリで働く私にとっては、異なる館種の図書館で現場に立つ学生同士の交流もよい刺激になります。 もし現状を変えたいと思っているなら、ここで新しい一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。さらに遠くを見渡すために 博士前期課程修了の日が近づき、ゴリアテ(巨人)の肩はまだまだとしても、少年ダビデの肩に手をかけられるかもしれません。 私の在籍する図書館情報学キャリアアッププログラムは、博士前期課程のため修士号(図書館情報学)の取得が可能です。修了後は現職に戻られる方、博士号に挑戦される方などさまざまです。図書館情報メディア研究科に入学し、物事をできる限り深く追求する機会を得たことは、人生においてかけがいのない体験になりました。

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