図情メディア研究科パンフレット2015
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教育研究分野24教育研究分野石井研究室情報と法に関わる諸問題の総合的・多角的研究 石井研究室では、プライバシー・個人情報保護を中心に、情報と法に関する様々なテーマで研究を行っています。インターネットが当然となった現代社会において、情報の取扱いに関する新たな問題は日々生起しています。例えば、ビッグデータの収集や解析とプライバシー・個人情報保護をめぐる問題、クラウド・コンピューティングをめぐる様々な問題(消費者保護や情報セキュリティ等)、書籍の電子化と著作権など、枚挙にいとまがありません。新たな法制度との関連では、国家機密を守るための特定秘密保護法やサイバーセキュリティ基本法、社会保障・税の一体改革とマイナンバー法など、注目すべき法制度が次々と登場しています。2013年以降は、個人情報保護法や不正競争防止法などの改正案も検討されています。石井研究室では、こうした新しい事象を含め、情報にかかわる法的問題を幅広く取り扱っています。 また、図書館に関する法制度や法的問題を研究したい学生さんも受け入れています。最近では、公文書管理法が2011年4月1日に施行されました。この法律は、情報公開法と深い関係を有しますが、それにとどまらず、図書館における情報管理のあり方にも大きな影響が及ぶものと考えられます。 ゼミの学生さんには、自由にテーマ設定をしてもらい、皆で意見交換をしながら研究の方向性を決めています。研究のスタイルは、専ら文献調査です。一つの裁判例に焦点を絞り、判例評釈を分析しつつ判決の妥当性を分析するもの、特定のテーマに関する近時の裁判例の傾向を調査し、判断基準のあり方を考察するもの、法律の規範的解釈論を展開し、法改正の提言を行うもの、先行研究の少ない分野の調査を行い、課題を発見するものなど、アプローチ方法は様々です。テーマによっては、必要に応じてインタビュー調査も行っています。 法学研究を行う際には、既存の議論にとらわれがちになる傾向があります。しかし、石井研究室では、特に新しいテーマに取り組む際には、先行研究を尊重しつつも、新たな発想で問題を考察できる視点を養うことを目指しています。プライバシー保護個人情報保護国家秘密の保全行政情報の管理と公開知的財産権の保護消費者保護児童・青少年の保護裁判管轄、証拠法情報セキュリティ情報法の諸側面

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