図情メディア研究科パンフレット2015
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教育研究分野34情報メディアシステム分野研究対象 現代社会における知識共有にはコンピュータとネットワーク技術が欠かせません。今日もまた人々はPCやスマートフォンなどの情報機器を操作し、ネットワークにアクセスします。このような行動を当たり前にしたのは、多くの情報通信技術を開発し、社会基盤として整備した先人たちの努力です。情報メディアシステム分野は、先人たちの努力を引き継ぎ、さらなる高みをめざします。 われわれが研究対象とするのは「知識共有基盤」です。技術を人の意識や社会的行動と結合させ、そこに作用する技術世界を対象とします。 大規模データを収集し、相互に関連付けられた構造化文書として蓄積します。そこに人のコミュニケーションや意味理解を考慮して、新しい情報アクセス技術を開発します。蓄積された構造化文書はやがて、新しいアクセス技術とともに共有可能な知識資源となり、デジタルライブラリのような知識サービスを形成します。このように、単なる技術開発にとどまらないところが他の技術系の大学院と違う点です。 人材育成方針 まず意識しているのは、学会発表や国際会議、学術雑誌への投稿を積極的に推奨しているところです。研究室だけで議論していると、視点が偏り、都合のよい結論を導きがちです。外で発表を行い、他流試合を行うことで、自らの研究を客観的に眺められるようになります。また、外部の批判を意識することで、研究室の議論もより真剣に行うようになります。その結果、常に最先端のレベルを維持できます。 もうひとつ意識していることは、図書館情報メディア研究における技術とは何かを考えることです。とかく研究は近視眼的になりがちです。自分の研究に没頭するだけでなく、そのテーマが何のためにあるのか、その位置づけはどこにあるのかを合わせて考える必要があります。博士後期課程ではもちろんのこと、博士前期課程においても自らの研究がその領域を定義づけ、発展させることを意識するべきです。図書館情報メディア研究というオリジナリティあふれる領域を意識することで、自らの研究も輝くのです。宇陀 則彦Norihiko Uda情報資源管理,電子図書館1) 学術情報リンキング:知的生産に必要な学術情報をリンクし、最適なパスを提供する。  2) 情報資源共有:図書館、博物館、文書館などの情報資源を透過的に利用できるようにする。3) 資料研究支援:コンテンツを再構成することによって資料の新たな側面を引き出す。▼授業科目システム思考デジタルライブラリ知識情報空間研究鈴木 伸崇Nobutaka Suzuki構造化文書,データベースXML等の構造化文書に関する研究を行っている。たとえば、スキーマ進化に伴うXML変換アルゴリズムの開発、XPath充足可能性問題を解くための効率のよいアルゴリズムの開発を行っている。また、それら問題の計算複雑さについても考察している。▼授業科目問題記述と形式化情報表現法構造化文書処理技術研究阪口 哲男Tetsuo Sakaguchi情報科学1)ディジタル図書館基盤技術:ディジタル図書館の構築やサービスの展開に適応した基盤技術の開発; 2)分散型情報システムとその開発環境:WANやLANに分散した情報の特性に基づくシステム構成方式とその開発; 3)知的活動のための情報基盤:研究・教育における情報の蓄積・加工・利用のための手軽なソフトウェア環境の構築▼授業科目セマンティックウェブデジタルアーカイビングデジタルドキュメントの技術と権利情報伝達共有システム研究佐藤 哲司Tetsuji Satoh情報アクセス論,データ工学情報ネットワーク時代の本格的な到来を迎えて、相互に関連づけられた情報空間の構造を知識として表現し、変換・統合・共有・アクセスするための情報アクセス高度化、知識写像に関する研究を進める。情報を発信する著者コミュニティの変遷・変容にも興味があり、データ工学や情報検索などの工学的アプローチによって解明する。▼授業科目データ工学特論情報アクセスシステム研究教育研究分野※平成26年度の教員組織構成を基にしています。

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