図情メディア研究科パンフレット2015
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研究科の活動46知的コミュニティ基盤研究センター(http://www.kc.tsukuba.ac.jp/) 本研究センターは、ネットワーク上で、あるいはネットワークを利用して形成される多様なコミュニティについて、それらに必要な知的情報基盤に関する研究を行い、コミュニティの発展に寄与することを目的としています。図書館情報メディア系に属する研究センターとして、図書館情報メディア研究と、国際連携、コミュニティ連携活動のフロンティアを担っています。本研究センターは後に示す4つの研究部門から成り立っており、それぞれが特色ある研究を進めるとともに、様々なコミュニティと連携した研究活動を行っています。 本研究センターでは、開設以来、研究談話会、国際シンポジウムの開催など、国内外のコミュニティとの連携を重視した活動を続けてきています。2014年2月には「公開シンポジウム2014:大学図書館論2024」、同年3月には「公開シンポジウム:大震災における文化遺産の救出と記憶・記録の継承2014 -被災文化遺産の救出とその後-」といった公開シンポジウムを開催しました。また、第22回先端芸術音楽創作学会研究会「人と音の情報学」国際シンポジウムを共催するなど、国際的な活動を進めています。「知の表現基盤」研究部門 知的コミュニティにおける知識伝達や情報探索を考えるとき、その知識情報をどのように表現するかは重要な課題です。本研究部門では「様々な場面で利用される知識の特徴を解明し、その効果的な表現を可能にすることで、社会における知識の有効活用の促進に貢献する」ことをミッションに、 (1)複雑な意思決定や問題解決の仕組みとその支援における表現、たとえば、医者やパイロットなどの即時的判断が求められる専門家の意思決定、生命体の遺伝子ネットワークの表現、(2)貴重な文化遺産の表現、たとえば、古銅印と糸印の識別研究と閲覧システムの構築、(3)会話や文章を通した対話における表現、たとえば、笑いを生む要素とその表現に関する研究、(4)情報探索における表現、たとえば、情報要求(質問)の表現や検索結果の可視化、感性の表現に着目した検索といった研究を展開しています。「知の共有基盤」研究部門 多様な形で生成される知を共有するための基盤は知的コミュニティの形成において本質的な機能の一つですが、近年の著しいITの発展は、これまで考えられなかった新しい知の共有基盤の可能性をもたらしています。本研究部門では、このような背景の下、未来の社会を支える知の共有基盤のための情報環境デザインについて研究を進めています。 具体的には、クラウドソーシング技術を活用して作る人間の知とコンピュータの知を組み合わせた新しい情報環境の研究、様々な情報サービス提供における高い情報セキュリティと利便性を備えたネットワーク認証基盤やアクセス環境に関する研究、データ可聴化および音インタラクションによる情報共有と複数名で体験される音楽情動に関する研究、メディア情報を利用した振り返り学習および認知モデリングに基づく身体知の共有に関する研究等を推進しています。また、研究成果の社会への還元を重要視しており、学外の各種コミュニティとも協調しながら研究および社会への還元を進めています。研究科の活動

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