MPS法†圧縮性流体を取り扱うために提案されたSPH法に対して, 粒子法で非圧縮性流体を取り扱えるように提案されたのが Moving Particle Semi-implicit (MPS)法(1)である. MPS法では粒子数密度を導入し,この密度が一定となるように陰解法で圧力のポアソン方程式を解く. これにより,グローバルに非圧縮性を強制する. 一部分に陰解法を使っているので,Semi-implicitである. 非圧縮性流れの支配方程式†非圧縮流れの支配方程式であるナビエ・ストークス方程式は以下である. ![]() ここで, 粒子間相互作用モデル†MPS法では勾配,発散,ラプラシアン等の微分演算子を,粒子間相互作用モデルに基づき離散化する.
まず重み関数 ![]() ここで, ![]() ここで, 非圧縮性流れにおいて液体の密度は一定である.
MPS法では各粒子の粒子数密度 粒子間相互作用モデルによる勾配,発散,ラプラシアンの離散化は以下.
MPS法による粒子位置更新†ナビエ・ストークス方程式(質量保存式と運動量保存式)を離散化する. ![]() 上付は用いる物理量のステップ数を示す.
圧力勾配項は陰的に計算するため, まず,粘性項と重力項を計算し,粒子の仮の速度 ![]() ![]() 粘性項 ![]() 粒子位置 ![]() 粘性項と同様に右辺を離散化すると,
![]() Aは対称疎行列であり,不完全コレスキー分解付共役勾配法(Incomplete Cholesky Decomposition Conjugate Gradient method)などで解くことができる.求めた ![]() ![]() 計算アルゴリズム†MPS法では以下の手順でシミュレーションを進める.
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