空間微分に関する離散化法について多く述べてきた一方,時間微分に関しては以下の単純な1次精度の離散化しか述べてない. これは前進オイラー法と呼ばれている.これに対して,レベルセット法などでよく用いられるのがTVDルンゲクッタ(Total-Variation Diminishing Runge-Kutta:以下TVD RK)である.ルンゲクッタ法は時間方向の離散化法としてもっともポピュラーな方法であり,次数を上げていけばどんどん精度も上がる(高次(8次精度など)のルンゲクッタ(RK)は衛星の軌道計算などにも用いられているらしい).実際には前進オイラー法は1次精度のRKと同じである.TVD RKはTVDを満たすRKである.また,計算時間はかかるが安定した数値計算が可能な陰解法や予測子・修正子法などもある. |