マルチモーダルインタフェースの概要
マルチモーダルインタフェースとして導入されている機器の概略について説明します.導入機器の詳細については仕様書を参照してください.
マルチモーダルインタフェースとして,以下のシステムが利用できます.
マルチモーダル遠隔共同作業/会議環境
- 概要
撮像装置,表示装置を備えた2地点をネットワークで接続する遠隔ビデオ会議を模擬する実験環境です.
遠隔ビデオ会議環境の研究開発に利用可能です.
- 機器概略
- 2地点の機器をそれぞれ本体側,対照側と呼びます.本体側はスチール製のフレームを有します.同一室内において遠隔2地点を模擬するため対照側は遮音ブース内に設置されています.
- 本体側撮像装置はDVカメラ及びウェブカメラです.
- 本体側表示装置は,50V型プラズマディスプレイ,18.1型液晶ペンタブレット,小型DLPプロジェクタであり,プロジェクタ画面は机状のスクリーンに投射できます.
- 対照側撮像装置は,DVカメラ及びウェブカメラです.
- 対照側表示装置は,19型液晶ディスプレイ,18.1型液晶ペンタブレットです.
- 2地点間は,DV伝送装置とMPEG2伝送装置により映像と音声で接続されます.
- 2地点にはそれぞれPCが設置されています.
- 映像データを収録・編集するためにDVカメラ2台とminiDV/S-VHSデッキとDVミキサー,21型液晶ディスプレイ付ビデオ編集PCを備えます.
- 音声についてはワイヤレスマイク4台を備え,音声データ収録のためにオーディオミキサーとPCを備えます.
- 利用法概略
- 電源を入れることにより,ネットワークを通じたビデオ会議の実験的環境を実現できます.
- ユーザの行動をDVカメラとワイヤレスマイクにより収録できます.
- 活用例
- DVカメラを使用し,各種実験を記録
- ペンタブレットを使用し,ペン入力アプリケーション開発
- 遮音ブースを使用し,同一地点において模擬的に遠隔2地点を実現
- プラズマディスプレイを使用し,大画面ディスプレイを利用する研究
- プロジェクタと机状のスクリーンを使用し,机上に各種映像を投射するイ ンタフェースの研究
- miniDV/S-VHSデッキ,DVミキサー,ビデオ編集PCを使用し,デモビデオの 編集
- 2組の撮像装置,表示装置とネットワークを使用し,2地点間ビデオ会議の 研究
MR(ミックスト・リアリティ)プラットフォームシステム
- 概要
MRを研究開発するために利用可能です.MRとは実世界のオブジェクトと仮想オブジェクトが重畳表示された環境です.
- 機器概略
カメラ付で表示解像度がVGAのビデオシースルーヘッドマウントディスプレイとその位置を計測する磁気センサ,制御用PC,MRアプリケーションソフトウェア開発環境からなります.
- 利用法概略
- 機器の取り扱いについてはマニュアルを参照してください.
- 開発環境はRedHad Linux 9 上のC++です.
- 活用例
- ミックスト・リアリティの開発研究
- MRアプリケーションソフトウェア開発環境を使用し,プログラミング
- サンプルプログラムを使用し,ミックスト・リアリティの体験
位置データ収録装置
- 概要
簡易型の3Dモーションキャプチャです.数点のマーカの位置を計測することが可能です.
- 機器概略
簡易型の3Dモーションキャプチャ装置と制御用ノートPCからなります.
- 利用法概略
- 計測したい点に専用マーカを貼り付ける.
- マーカを補足できる位置に簡易型3Dモーションキャプチャ装置を設置する.
- データは制御用PCに記録される.
- マーカは3個あり,3点を同時に計測できる.
- 活用例
- 頭部の動きの計測
- 腕部の動きの計測
- 動く物体にマーカを貼り付けて,その動きを計測
冗長自由度を持つマニピュレータ
- 概要
人間の腕と同じ7関節を持つ冗長マニピュレータです.
- 機器概略
冗長マニピュレータ 三菱重工(株) PA10-7C 1台と制御用デスクトップPC 1台からなります.
- 利用法概略
- 利用にあたっては,事故防止のためマニュアルを熟読してください.
- Visual C++またはVisual Basicの開発環境を使用し,マニピュレータを制御するPA libraryによりマニピュレータ制御プログラムの開発が可能です.
- 活用例
- マニピュレータ制御の基礎的研究
- マニピュレータの手先に,ユーザが用意するロボットハンド等を搭載し,具体的なタスクを想定したアプリケーション開発
- 移動ロボットのシステム含まれるビジョンシステムを活用し,視覚情報に基づくマニピュレータのフィードバック制御
- マニピュレータ手先の位置決め精度は高く,高精度位置決めステージとして利用可能
- 注意事項
- 事故防止のため,利用にあたってはマニュアルを熟読してください.
- 取扱要領および利用上の注意も熟読してください.
移動ロボット,多眼視カメラシステム,軽量マニピュレータ
- 概要
移動ロボット,多眼視システム,軽量マニピュレータを,単独または組み合わせて使用することができるシステムです.
- 機器概略
- 移動ロボット (株)リバスト PIONEER 3-DX8 2台
- 軽量マニピュレータ (株)リバスト Katana II 2台
- 多眼視カメラシステム (株)リバスト STH-MDCS-C 2式
- 制御用ノートPC 2台
各機器は単独でも,複数の組み合わせでも使用可能です. 2.と3.は1.に搭載できます.組み合わせによっては,制御用ノートPC無しでの実験も可能です.
- 利用法概略
- Windows,Linux上でプログラム開発が可能です. 各機器には,制御ライブラリが用意されており, WindowsとLinuxで互換性のあるプログラムが作成できます.
- 活用例
- 移動ロボットを単独で使用し,軌道制御の基礎的研究
- ビジョンシステムを単独で使用し,画像処理の基礎的研究
- 軽量マニピュレータを単独で使用し,ロボティクス学習への活用
- 移動ロボット,ビジョンシステム,マニピュレータを組み合わせて使用し,具体的なタスクを想定したアプリケーション開発
- 移動ロボット,ビジョンシステム,マニピュレータはそれぞれ2式ずつあるので,それらを組み合わせて協調制御の研究
- 注意事項
- 事故防止のため,利用にあたってはマニュアルを熟読してください.
- 取扱要領および利用上の注意も熟読してください.
2005.04.01 公開