ディジタルキュレーション(Digital Curation)について


 Digital Curationは、我国ではあまり広く使われていないことばですが、欧米では広く使われており、たとえばイギリスにはDigital Curation Centre(DCC)という公的組織があります。

 DCCによると、「Digital Curationには、ディジタル形式の研究用データのライフサイクル全体を通じて、その維持管理、保存、そして価値の付加が含まれる。研究データを能動的に管理することによって、データの長期的価値に対する脅威を減らし、ディジタルデータが利用不可になる危険を最小化する。また、Digital Curationは、データの重複作成を避けると同時に、より高度な将来の研究に向けて既存のデータを利用可能な状態に保つことで既存のデータの長期的価値を高める。」と説明されています。
  すなわち、学術研究のための重要なデータを長期にわたって利用可能な状態で保存し、利用者に提供し続けること、またそれによってデータそのものの価値を高めていくことを意味します。

 ディジタルアーカイブということばが広く使われています。ディジタルキュレーションとディジタルアーカイブに大きな意味の違いはありません。その一方、これまでディジタルアーカイブということばは文化的あるいは歴史的資源の電子化と強く結び付けて理解されています。その一方、我々が残していかねばならないディジタル情報資源は科学技術を含むより広い領域にあります。また、アーカイブと言うことばの性質上、記録・文書の保存、データの保存に直結しがちです。そこで、ここでは、新しい視点を積極的に取り入れた議論を期待して、ディジタルキュレーションという、我々にはまだあまり耳になじみのないことばを使うことにいたしました。

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