高久研究室は、利用者の情報ニーズと文書の仲介を知的に支援する情報システムのモデル化、情報アクセス手法の研究開発、人による情報探索結果のプロセスや評価を中心に、情報探索行動や情報組織化、電子図書館、情報検索分野などの研究を行っています。
近年は、情報探索行動における探索者の知識変容を理解するための手法、Linked Open Data (LOD) に基づくメタデータ情報システム、ウェブ時代の学術情報流通のあり方など、幅広い領域の研究活動を行っています。 詳しくは、研究発表一覧や学位論文一覧をご覧ください。
情報検索とは,対象文書群を適切に索引付けし,利用者の情報要求に基づき,ニーズを満たす適合文書を的確に返すための手法にかかわる研究領域です。利用者の情報要求の分析,文書構造の同定,文書の索引付け,文書ランキング,検索結果の評価等の手法に多くの研究課題が存在します。近年では特に文書種類や情報要求の多様化と高度化が見られ,ますます多くの研究が必要となっている研究領域の一つです。
高久研究室では,対象文書のジャンルを特定した検索システムの構築や,新しい検索手法,検索評価手法の開発を目指しています。
情報探索行動とは,ひとが情報を求めて行動する様子を追跡し,それらにかかわる要因を探り,モデル化し,探索支援システムへの応用等を図る研究領域です。近年では,ウェブ環境下での記録機器等の発達により,より精緻に情報探索の過程を計測し,情報アクセスのために役立てることが期待できます。
高久研究室では,探索過程の記録や,探索記録からの知識発見,探索者の知識変容の様子を捉える方法論の開発を目指しています。
電子図書館は,既存の図書館サービスをデジタル資料やICTツールを用いて補完,刷新,強化し,新しいサービス機能を実現する研究領域です。情報検索やエンティティ同定,情報推薦,可視化,マイニング,利用者行動の分析等の隣接領域の手法を応用したり,図書館の現場のニーズに基づくサービス仕様の分析や精緻化といった幅広い役割が求められています。
高久研究室では特に,検索機能の向上,Web APIマッシュアップによる新しい機能の提案,デジタルアーカイブズの利活用といった研究テーマのもとに電子図書館の実現に取り組んでいます。
情報コンテンツやコレクション群をいかに効果的に整理記述し、分類するかは図書館情報学がふるくから扱ってきた重要な課題であると同時に、ウェブ時代における情報組織化をいかにどのような形式で図って、再利用性を意識した形でさまざまな粒度で共有するかは重要な課題となっています。
高久研究室では、書誌情報やその他の情報をLinked Dataの方法論により共有する手法や効果的にLinked Dataを構築する手法などの開発を通じて、研究領域に貢献することを目指しています。
学術研究分野における学術情報がどのように生成され、どのように流通、管理し、利用するか、利用しやすくするにはどうすればよいかを考察する研究領域は学術情報流通と呼ばれます。
高久研究室では、学術情報の生成から発信までを扱う領域、学術情報管理のための仕組みの提案、学術情報の変遷やり取りの様子を分析する方法論を研究しています。