大学ではデンマーク文学を専攻しており、大学院ではデンマークの公共図書館について・・・ |

大学ではデンマーク文学を専攻しており、大学院ではデンマークの公共図書館について・・・

博士後期課程1年 坂本俊

 みなさん、こんにちは。
 私は筑波大学大学院博士後期課程図書館情報メディア研究科に所属しています。
私は私立大学を卒業して、博士前期課程から筑波大学に進学いたしました。大学ではデンマーク文学を専攻しており、大学院ではデンマークの公共図書館について研究を進めています。
 私が大学院への進学を真剣に考え始めたのは大学3年の冬であり、卒業論文を書き始めたころのことでした。周りが就職活動を開始するなか、私はデンマーク語を大学で勉強したという事情もあり、このまま就職するのではなく、身につけた知識を将来活かすことができるようにしたいと希望し、大学院に進学することにしました。実際にいくつかの大学院を検討しましたが、それまでやってきた分野が直接結びつく分野が少なく、選択肢はそう多いものではありませんでした。
 そのなかで、この筑波大学の図書館情報メディア研究科を選んだ理由としては、図書館情報学という研究分野を考えたときに、その裾野の広さと、懐の深さから(大学のパンフレットにも書いてありますが)、事前の研究分野を問わないということでした。実際入学してみるとわかるのですが、様々な学生がさまざまなテーマで研究にとりくんでおります。私はメディア社会分野に所属していますが、歴史や書誌学、法制度など様々な研究がなされています。極端な話をしてしまうと、同じゼミに所属していても感心分野の距離が遠いというようなこともあります。
 これは図書館情報学が幅広い分野に関連する、ある意味総合的な学問であり、マイナーなものからメジャーなものまで拾うことができるキャパシティを持ち、多角的な研究をする必要性があるためです。大学院というと「専門研究をする場である」と一般にとらえられますが、図書館情報学を学ぶうえで専門性を獲得するにはそれまで大学等で学んできた知識が重要になってくると思われます。
 私のように大学で図書館情報学を専門にやってこなかった者には、やってこなかった者なりの研究の仕方、他分野から図書館の世界へ興味を持った者なりの研究の方法というものが大学院に入ってから許される研究領域が図書館情報学と言うことができると思います。学生の中には実際に大学院に入学してから司書資格をとる者もいますし、必要を感じず、資格をとらない者もいます。
 さて、私は現在博士後期課程にいますので、そのことも少し触れたいと思います。
 私は今年4月に博士後期課程に進学しました。
 この進学の動機というと、博士前期に進学した時に感じたように、「これまでの知識を無駄にしたくない」というものでした。
 博士前期課程に進学して研究しているときには漠然と専門機関に就職できればと思っていましたが、修士論文作成、学会発表、論文投稿などを通して、自分の知識不足、未熟さを痛感したとともに、研究活動に楽しさをみつけ、更に研究を続ける道を選びたいと思うようになりました。 博士後期課程に進学すると一般的な職に就く以外に、研究職に就くことも視野に入ってきますが、それでも大学で4年間、博士前期課程で2年間、後期課程で更に3年間と長い時間をかけて研究を続ける意味というのはこの「楽しさ」があるからではないでしょうか。誰かに強制されるのではなく、自らがおこなうものが研究であり、それに「楽しさ」、「価値」を見つけられる者が研究職へと就くのだと思います。
 研究活動を続けていく上で、この筑波大学というところは、研究者向きの土地であると思います。昨年TXができたおかげで、東京へのアクセスは容易になり、市内も以前と比べてにぎわうようになりました。みなさまが入学した後も、いろいろと変化はおこると思いますがこれまで同様、研究学園都市としてのつくばの本質は研究の町であり、研究者や学問を志そうとする者にとって最適な場所であることには変わりありません。
 みなさまのこれまで学んできた知識、経験を最大限に活かせる分野が図書館情報学であり、この筑波大学の図書館情報メディア研究科ではないでしょうか。

2006年6月30日

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